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2005.02.16

安倍なつみレビュー&コンサートレポ

るさととは、第一義的には「生まれ育った土地」を意味するが、同時に「自分を無条件で受け入れてくれる場所」であったり、「出発点」もしくは「原点」という精神的拠りどころでもある。安倍なつみがファンの前から姿を消して74日目。再出発の舞台として用意されたのは、デコレーションが排除された簡素すぎるほどのステージ。もちろんレビュー&コンサートの構成上、ダンスレッスン場をモチーフにしたステージングとなっているのだが、リスタートの舞台としては寧ろ格好のシチュエーションのように思えた。緊迫感と期待感が交錯するなか、『ふるさと』のイントロとともに幕が上がり、白いサイリウムの光に迎えられるように安倍なつみの姿がステージ上に現れた時、彼女も、そしてこの日を待ちわびたファンも、それぞれの「ふるさと」が胸中に去来したに違いない。自分たちの居るべき場所に、ようやく帰ってきたんだと。

この日のオーディエンスは、一般発売のないFC会員のみを対象として集められた1400名。互いの意思疎通を図るのに余分な言葉を必要としない阿吽の関係であり、いつどんな時でも自分を無条件に受け入れてくれるファンを前にして、彼女は「自分の居場所は、ここなんだ」とノスタルジーを感じたのだろうか?ステージに立った安倍なつみは、再び歌を伝えられることの悦びとファンへの謝意を最大限に表情に浮かべながら、1曲1曲を噛み締めるように熱唱。そして、彼女を待ちわびたファンからも1曲ごとに、いや曲間ごとに惜しみない声援と拍手が注がれる。以前と変わらぬシーンが再現されていたものの、そこには失われた2ヶ月という時間を取り戻そうとする両者の姿があった。こうして、11月29日で止まっていた時計の針が、再び動き始めた。



〔会場外の様子〕

会場となる日本青年館は、収容人員1360名の小規模ホール。付近では「なっち!おかえり!」と書かれたノボリがチラホラ見受けられました。

〔自筆メッセージ入り生写真〕

会場入口では、全入場者に安倍なつみさんの自筆メッセージ入り生写真が配布されます。どうやら公演ごとに異なる構図の写真が用意されているようで、僕が入手したのは上記の3枚です。左から11日昼公演、同夜公演、12日公演の配布写真です。最近はファンへのアフターフォローに腐心されているので、何らかの陳謝は半ば予期しておりました。

〔会場内の様子〕

入口を潜るとスグに、安倍なつみさんとアップフロントエージェンシー代表取締役・瀬戸由紀男氏からの貼り紙メッセージが目に付きました。度重なる謝罪の文言に、改めて騒動の事実を突きつけられました。ちなみに鈴木杏樹さんからもお祝いの花が届けられておりました。



〔レビュー&コンサート概要〕
初の試みとなる今回のレビュー&コンサートは、レビュー部分(第1部)30分に5分間の小休止を挟んで1時間のコンサート(第2部)が行われるという2部構成で実施。コンサート主体の構成となっているため、1部のレビュー部分はコンサートの余興といった印象が強かったです。コメディタッチのショートコントにダンスがミックスされているだけの、ごくシンプルなショーでした。

〔レビュー〕
緞帳が上がると、ステージ上には安倍なつみさんとメロン記念日の5名が既にスタンバイ。テーマ曲は森高千里さんの『私がオバさんになっても』(1992年)。レビュータイトルも同名の方がふさわしいんじゃないかと思えましたが、内容を悟らせないためのシャレだったんでしょうか(笑)。ファンの心配や不安をよそに、安倍なつみさんはエネルギッシュなダンスパフォーマンスを披露。2ヶ月前と何ら変わることのない笑顔でハッスルする姿に、胸を撫で下ろしました。やはり彼女は「ステージ上の住人」なんだと得心。

レビューでのハイライトは、安倍なつみさんのアカペラ独唱シーン。劇中、ステージが暗転し、ピンスポットの光を浴びた安倍さんが座ったまま『私がオバさんになっても』をアカペラで独唱するシーンがあるのですが、単なる劇中歌としての披露ではなく、ファンに対するメッセージを含んだ独唱だと思わせるくらいの好シチュエーションでした。そしてレビューの醍醐味は、何といっても後半のダンス部分にアリ。ハロプロワークスの楽曲に合わせて5名が踊り続けるのですが、公演ごとに選曲がシャッフルされるうえに、当人達も当意即妙の対応が求められるため、振り付けを忠実に遂行しようと必死になっている様が面白い。当初はアドリブがありませんでしたが、公演を重ねるにつれ余裕が生まれてきたせいか、ところどころアドリブも織り交ぜながら踊ってました。この部分は、複数回見れば見るほど面白くなってきます。もっとも、ハロプロワークスといってもモーニング娘。絡みの曲が多いので、安倍さんの動きは軽快そのもの。自身の曲『恋のテレフォンGOAL』が流れた際には、「ハイ!」と手を挙げながらステージ前面に進み出て、水を得た魚のように大ハリキリで躍っていた姿が印象的でした。エンターテイメントとしては物足りない部分もありましたが、笑いに包まれながらレビュー部分は30分程度で終了。

〔コンサート〕
昨年のコンサートで披露していたお馴染みのレパートリーに加え、今セットリストにはモーニング娘。の1stアルバム『ファーストタイム』から『ウソつきあんた』、4thアルバム『いきまっしょい!』から『なんにも言わずにI LOVE YOU』、そして24thシングル『涙が止まらない放課後』。更に田中れいな(モーニング娘。)、鈴木愛理、夏焼雅(ハロー!プロジェクトキッズ)によるユニット「あぁ!」の1stシングル『FIRST KISS』が披露。新曲並びにアルバム発売が見送られているための苦肉の策とはいえ、ファンにとっては心憎いセレクトでした。ところが皮肉なことに歌詞間違いや歌詞飛ばしが頻発して、結果的に2ヶ月間のブランクや準備不足を露呈させる羽目になりました。ボーカルも全体的に不安定で、レビューではブランクやリハ不足を感じさせなかっただけに、芸能活動中断の事実が忌まわしく思えた瞬間でした。

何といってもオープニング公演に尽きるのですが、2ヵ月ぶりのコンサートは、とてもエモーショナルな幕開けでした。幕が上がった時には既に、肩を震わせながら手で顔を覆う安倍なつみさんの姿がありました。それは、モーニング娘。卒業公演の横浜アリーナで、大観衆の「なっちコール」に促されて登場した、あのシーンの再現でした。賛否両論のサイリウム企画でしたが、復帰ステージを白いサイリウムで祝福しようとするファンの計らいを、キチンと感じ取ってくれましたね。オ-プニングナンバーの『ふるさと』は、横浜アリーナの光景をオーバーラップさせるシチュエーションでの披露となりました。

2曲目の『せんこう花火』を歌い終えると、いよいよ緊張のファーストMC。一連の騒動に対する謝罪と、「ファンの大切さを実感した2ヶ月間でした」とご挨拶。キッチリとケジメをつけて、再出発を誓う。そして「心を込めて歌います」のアナウンス後、彼女のご贔屓ナンバー『晴れ 雨 のち スキ ♡』を愛情タップリに披露。続いては、『だって 生きてかなくちゃ』のカップリング曲『恋にジェラシー申し上げます』。自粛発表されてから、好きになった曲です。鬱屈した状況下だったからこそ、明るいサウンドの軽快チューンが本当に彼女らしく思えて、一気にフォーリンラヴ。もちろんこれは、次曲の『トウモロコシと空と風』にも言えることですが。

MCを挟み、ここでサプライズ曲が登場。11日昼公演と12日公演は『FIRST KISS』、11日夜公演は『涙が止まらない放課後』がそれぞれ披露されました。『FIRST KISS』は名曲の呼び声高い作品なんですが、安倍さんのイメージには似つかわしくなかったですね。それとは対照的に、『涙が止まらない放課後』は感涙モノ。「オリジナル越え」とは、こんなカヴァーを指して言うんでしょうね。今セットリストで最も印象的だった曲名を挙げろと言われれば、躊躇なく当曲の名を挙げます。安倍さんにはやっぱ、フェミニンな曲がお似合い。どうやらDVD撮影用のカメラが入ったのは13日昼公演のようなので、後日作品化されるDVDには『涙が止まらない放課後』が収録されそうですね。今春発売されるアルバムに“安倍Ver.”として収録して下さっても結構です(笑)

続いての曲は、『晴れ 雨 のち スキ ♡』とともに今や彼女のコンサートでは必須のバラード『…ひとりぼっち…』。今回、僕が最も聴きたかった曲です。自粛期間中に帰郷した際、どんな想いで「白鳥大橋」を眺めていたのだろうか…と手前勝手な想像を巡らせながら、聴き入ってました。微かに洩れ聴こえるブレスさえボーカルへと化すくらい、ホールは静謐な空間へと一変。「なっちコール」抜きで会場全体を一体化させる、貴重なナンバーです。

金の刺繍が入った深紅のドレスに衣装チェンジし、安倍なつみさんが再登場。ショートMCを挟み、『Memory 青春の光』、そしてもう一つのサプライズ曲『ウソつきあんた』へとモーニング娘。時代の楽曲リレー。『モーニングコーヒー』『どうにかして土曜日』とともにデビュー曲候補になった懐かしナンバーを、安倍さんがソロカヴァー。これまで中澤裕子さんと藤本美貴さんのソロヴァージョンがドロップされておりましたが、安倍ヴァージョンもかなりの好感触。惜しむらくは、ワンコーラスのみの披露となったこと。当曲もアルバムに収録して下さって結構です(笑)

引き続き、モーニング娘。時代の楽曲『なんにも言わずにI LOVE YOU』へとバトンタッチ。当曲のソロヴァージョンは、FC限定販売のベストショットvol.1で既に披露済み。こういうシチュエーションでの披露となったせいか、「なんにも言わずに これからも 大切にしてね」「これからも I LOVE YOU」とリフレインされるフレーズに、強いメッセージ性を感じました。ラストは「みんなイッショに~!」の掛け声とともにファンも手を左右に振って、ホールは最高のムード。まさに安倍さんとファンの想いが詰められた曲でしたね。これもアルバムに収録して下さって結構なんですが(笑)

ショートMCを挟み、いよいよ終盤戦に突入。2ヵ月間お預けになっていた、あのナンバーの出番です。『恋のテレフォンGOAL』はまさに、至福の時間でした。こんなにチープでスカスカなアイドルポップスが、今や「安倍なつみ」の代名詞となるんだから本当に不思議。彼女のコンサートに来たことを最も強く実感させられる曲なんですよね。「エンジン全開で行くよ~!」と客席を煽って、ノリノリで披露。客席のボルテージも最高潮に達する。次曲『あなた色』を終えると、いよいよ本編ラスト。ソロとしての出発点(ふるさと)となるデビューシングル『22歳の私』。「私の大切なソロデビュー曲です」と告げ、ありったけの感情を込めて披露。再出発のステージは、「ふるさと」に始まり「ふるさと」に終わりました。

ファイナルMCではメロン記念日の4名も再登場し、束の間のグダグタトークが復活。でもあの黄金トリオと比べたら、全然セーフティーなレベル(笑)。アンコール曲は、恒例の『腕組んで帰りたい』。メロン記念日も含め5名で披露。会場が多幸感で満たされ、1時間のコンサートが終了。最後は「またね~!」と叫んで、幕の向こうに消えます。あなた色プレミアム千秋楽公演で「愛してるよ~!」と言い残してステージを去った姿が忘れられないから、「またね~!」「また明日ね~!」の言葉が嬉しい。その方が、「また逢えるんだ」と思えるから。



こうして、11日と12日の2日間に渡り彼女の復帰ステージを見届けてきました。かつての「なっちスマイル」も、客席をスッポリ包み込んでしまうハートフルでフレンドリーなMCも健在でしたが、公演当初ということもあり、彼女の表情やコメントからは緊張感と余裕の無さが伺えました。彼女の元気な姿を目にした安堵感も束の間、かえすがえすも彼女の芸能活動が不本意な形で中断してしまったことが、今なお悔やまれております。次に彼女に逢えるのは、1ヶ月後の愛・地球博前夜祭記念コンサート。時間がすべてを解決してくれるでしょう。

以上、大雑把な記述となりましたが、レビュー&コンサートのレポとして上梓させて頂きます。なおコメントレスは、明日以降ということでご了承下さい。体力は回復したものの、ちょっと仕事が忙しくなってきたもので(笑)

02:16 AM [安倍なつみ] | 固定リンク

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コメント

私も、11日夜、13日夜、14日の3回観に行きました。
緊張と不安の初日を終え、DVD収録の日を終えた後、
バレンタインデーの日のステージは、とても伸び伸びして
いました。チョコの代わりに投げキッスのプレゼントまでする、ノリノリで楽しい公演でした。
なっちは完全に復活した、と思いましたよ。

投稿者: merci (Feb 17, 2005 12:41:16 PM)

13日夜、14日は凄く良かったです。完璧に近かったです。
ただ、最終日は今公演最悪だったようで・・・。
日によって、好不調の波が大きかったようですね。
2ヶ月のブランクが多少影響したのかな、とは思いますが・・・。
でもこれは時間が解決してくれることでしょう。
また、レビューを今までのミュージカルと
同じようなものと思っていた人には、
多少不満の残る内容だったかもしれませんね。

投稿者: TARO (Feb 17, 2005 5:22:33 PM)

こんにちは。TBしましたので、お知らせします。

私は13日昼公演のみ行って来ました。11,12日は
FCで外れまくるし、オクは手が出ませんでした。

レビューはこんなものかなという感じでした。
今はとにかく笑顔のなっちが見ることができてよかった、
ということに尽きます。

4月の新曲と後浦なつみコンには少し期待します。

投稿者: しっちい (Feb 18, 2005 6:53:24 PM)

merciさん>

毎度ご意見有難うございます。
3公演とも本当にお疲れ様でした!

僕が観たのは11・12日公演だったんですが、
12日でもMCでの雰囲気に随分と余裕が出てきたなぁ~と感じたくらいなので、
後半の公演ならステージ勘も戻っていたことでしょうね。

僕も「投げキッス」を受け取りたかったw


TAROさん>

初めまして、ご報告有難うございます。

13・14日あたりが、ベストコンディションだったようですね。
ブランクだけでなく、相当な緊張感やプレッシャーとも闘っていたことでしょうから、
その精神的疲弊が最終日に影響したのかもしれませんね。

レビューは確かに物足りなさもありましたけど、
やはり今回の公演は特殊な状況下で行われたので、
彼女の健在ぶりをファンに示せただけでも充分だったと思います。


しっちいさん>

トラバ有難うございます。
レビュー参戦お疲れ様でした!

13日昼公演ってDVD収録だから、ツイてますね~w
なっちのコンディションも良かったようですし。

同じく、『晴れ雨…』の「なっちコール」はどうにかならないものかと渋面しきり。
『涙が止まらない放課後』は、ホント感激しましたよね。
♪もう寝たのかな~♪のフリが最高に可愛かったですw

レビューは呆気なかったですけど、今回は特殊な状況下での公演だったので、
内容云々よりもなっちの健在ぶりが示されたのでホッとしてます。

投稿者: そうまかなえ (Feb 19, 2005 6:41:12 PM)

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